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シーケンシャルリードが最速値でも最速SSDってわけじゃない話

Gen5のSSDがGen4/Gen3の製品より速いとはならない場合がある

現時点で最速SSDと言えば、Gen5対応でシーケンシャルリード(連続読込)が14,500MB/sの「Crucial T705」ではないでしょうか。このGen5対応の物を買えば、Windowsの起動やアプリケーションの起動など、ファイルの保存やコピーなど、あらゆる動作が爆速になるのだろうと想像していました。しかし、いろいろ調べていくうちに、それは的外れだということがわかりました。

シーケンシャルリード(連続読込)やシーケンシャルライト(連続書込)に関して言えば、大きなファイルの読み込みと書き込みが速いのは確かなようですが、製品によっては熱が発生して、性能が落ちることが起こるそうです。温度が80℃を超えると、サーマルスロットリングというのを発生させ、温度がそれ以上上らないように速度を下げたり上げたりを繰り返し、最高速度が出るのは一瞬だけだったりするみたいです。そう考えるとGen4のSSDのスピードでも6,000~7,000MB/sくらい出ますし、遅いと感じません。熱もGen5の製品に比べたら低いので、高い金額を出して無理に買わなくてもいいのかな?と思います。

この点では以下の動画が参考になりました。Crucial T500(Gen4)Crucial T705(Gen5)の比較で、ベンチマークのスコアやOSの起動などについて触れています。

肝心なのはランダムアクセスのスピード

Windowsやアプリケーションの起動、ウェブブラウジングなど、こちらのスピードはランダムリードやランダムライトの数値が重要です。私の場合はどちらかというと、こっちのほうが気になります。

CrystalDiskMarkによる一般的なPCIe Gen4 SSDのベンチマーク結果

ベンチマークソフトで有名なCrystal Disk Markだと、一番下の「4KiB Q1T1」という欄が重要だそうです。このことについては以下のページでも紹介されています。

ランダムリードの表記が1000kIOPSとか150万IOPSとかも要注意

最近のSSDはシーケンシャルリード/ライトの数値の他に、ランダムリード/ライトについても触れられていることがありますが、これは先ほどのCrystal Disk Markでいう、一番下の「4KiB Q1T1」ではなく、下から2段目の「4KiB Q32T1」の数値で、MB/sの単位ではなく、IOPSで表現されていることが多いです。数字が大きく見えるからなのかな?MB/sで表示すると、シーケンシャルリード/ライトよりも数字が1桁少なくなりますからね。それとも、知らないだけでIOPSで表示する意味がちゃんとあるのかもしれませんが。

このランダムリード「4KiB Q1T1」の値については、いろいろなSSDのベンチマークを見ていますが、同じメーカーのGen5とGen4の製品で、ほぼ変わらなかったりします。そういった意味でもGen4のSSDで十分かもです。

ランダムリード/ライトが〇〇〇〇kIOPSとか〇〇〇万IOPSとか、前世代よりも大幅に向上したという表示も惑わされないようにしたほうがいいです。数値が上がっているの事実でしょうが、あくまでも「4KiB Q32T1」の話で、ここが向上したからといって「4KiB Q1T1」も連動して大幅に上がるという話しではないので、要注意です。

「4KiB Q1T1」のランダムリードが最速のSSDってどれ?

ずばり、Intelの「Optane SSD」です。金額的にねらい目はもう数年前の2021年に製造が終了した製品ですが、Optane SSD 905P(PCIe3.0x4 U.2)です。960GBで約6万円前後とエントリーモデルのグラボ並みです。もっと速いエンタープライズ向けのOptane SSD P5810X(PCIe4.0×4 U.2 2021年発売)がありますが、オリオスペックさんで税込389,950円と、ハイエンドモデルのグラボ並みです。

インターフェースがU.2なのでNVNEに変換するケーブルを使用して、M.2ソケットに挿します。905PはM.2タイプやPCIeカードタイプも存在していたみたいですが、販売されているところ見つけることができませんでした。タイミングによってはメルカリやヤフオクで出品されているかもしれません。

Optane SSD 905Pが発売されたのは2018年(製造終了2021年)で、2024年の現時点から6年前の話です。その当時は魅力を感じず、価格も15万円くらいと高額なこともあり、検討の余地さえありませんでした。以下はその当時の記事。

Intelのパワーユーザー向けSSD「Optane SSD 905P」が発売、960GBで実売15万円越え
Intelのパワーユーザー向けSSDの新モデル「Optane SSD 905P」シリーズが発売された。販売を確認したのは拡張カードタイプの容量960GBモデル「SSDPED1D960GAX1」で、店頭価格は154,800~159,800円。

ランダムリードでは「Optane 905P」が最速

このOptane SSD 905Pのベンチマーク動画や記事を検索してみると、段々すごさがわかってきます。熱く語っている動画も出てきます。エンタープライズ向け上位モデル「Optane P5800X/P5810X」を除き、6年経過してもいまだにコンシューマー向けのSSDの中では、「4KiB Q1T1」のランダムリードはGen5の最新SSDを含めても最速です。しかも2倍以上のぶっちぎり。905PはPCIe3.0x4仕様なので、シーケンシャルリード/ライトは2,000MB/s台で大したことはないのですが、「4KiB Q1T1」のランダムリードについては約200MB/s台とライバルがいません。

たかが200MB/sぽっち?と思いましたが、一般的なNVME SSDはGen5、Gen4、Gen3も共通して「4KiB Q1T1」のランダムリードは60~80MB/sくらいしか出ていません。それに比べると2倍以上です。上位のOptane SSD P5810Xは300MB/s以上出るようです。ここの速度がOSやアプリケーションの起動や動作にかなり影響するようです。

ここまでOptane SSDが速いのは、一般的なSSDはNANDフラッシュメモリであるのことと比べて、905PやP5810Xは3D XPOINTと呼ばれるIntelとMicronが共同で開発したチップが使われているからのようで、耐久性も高く、熱で速度低下することもないそうです。

905PやP5800X/P5810Xすごさは以下のページが参考になります。

Intel Optane 905Pレビュー:3年経ってもライバル不在の異次元性能 | ちもろぐ
2018年に発売され、すでに3年が経過した今でも「Intel Optane 905P」の性能はライバル不在の異次元性能です。 しかし、公称スペック的には現行のPCIe 4.0対応SSDの方が速いように見えます。本記事ではOptane SSD...
Intel Optane SSD DC P5810Xレビュー:SSDオタク垂涎「世界最速のSSD」 | ちもろぐ
SSDオタクとして、一度は触っておきたいSSDのひとつ「Optane SSD DC P5810X」を入手しました。Optane 905P、Samsung 983 ZETなど。SSDオタク垂涎な製品の中で、Optane P5810Xは現行最高...

特にPremiere Proのプレビューのレスポンス、ゲームの読み込み、PC MARCでのスコアは905PやP5810Xが上位です。第2世代3D XPOINTが搭載されたP5810Xは予算的に無理ですが、905Pなら手が届きそうです。

Optane SSD 905Pのベンチマークとレビューの参考ページ

ちなみにWindows11が10秒くらいで起動するみたいです

PhotoshopなどAdobe系の起動の速さ

以下のページでは、Windows10の起動をはじめ、PhotohsopやIllustrator、Premiere Pro、InDesign、AfterEffectsなどのAdobe系ソフトやExcel、Power PointといったOfficeソフトなどのベンチマークが参考になります。一世代前のPCIe3.0のNAND SSDとの比較なので、参考になるかは不明ですが、905Pがぶっちぎり1位となっています。

【2020年】本当に速いSSDはどれか?SSDの実用性能を比較 : 自作とゲームと趣味の日々
Windows10 OSやAdobeアプリやPCゲームの起動速度、素材領域としての読み出し・書き込み速度など、SSDの実用性能について2020年最新SSD 42種で一挙にベンチマーク比較し、本当に速いSSDはどれなのか解説

3D CGソフトなどでのベンチマーク

Maya、DaVinci Resolve、Premiere Proなどの参考。

業界トップクラスのスピードと耐久性を誇る「インテル® Optane™ SSD 905P シリーズ」をクリエイティブの現場で徹底検証 | 製品レビュー | Shuffle by COMMERCIAL PHOTO
Shuffle by COMMERCIAL PHOTO:Shuffle(シャッフル)は雑誌COMMERCIAL PHOTO(コマーシャル・フォト)が発信する、プロ・ハイアマチュアのフォトグラファーへ向けたクリエイティブ情報サイトです。

参考レビュー

最強 SSD INTEL Optane 905P 購入しまいた。 : Death PC ブログ
爆速の新製品 970 evo plusが気になったけどメインで使うのはやっぱ最強フラッグシップモデルの905pがいいよねて事で衝動買いしちゃいました。同じ1TBで 970 proの倍以上、970 evo plusの5倍以上の値段高すぎ・・w...

海外のベンチマークスコアをまとめたデータベース

過去から最新のSSDのベンチマークスコアがまとめられたサイトがありました。

ランダムリードのベンチマークスコア

4kb QD1のRandom IOPSに関しては、やはりGen5のSSDを含めてもP5800X/P5810Xと905Pがぶっちぎりでした。

SSD Benchmarks Hierarchy 2024: We've tested over 100 different SSDs over the past few years, and here's how they stack up.
We've grouped the SSDs by capacity and sorted them by performance.
PassMark Software - Hard Drive Benchmark Charts
Hard Drive Benchmarks - Over 350,000 Hard Drives and 2,200 types benchmarked and compared in graph form - This Low End c...
SSD UserBenchmarks - 1080 Solid State Drives Compared

Gen5にこだわらくてもOK?

Optane SSD 905Pは旧世代のPCIe3.0x4ですが、シーケンシャルリード/ライトも秒速2GB/s以上出るので、HDDに比べたら充分速いです。旧世代でもOSやアプリケーションが最新の世代よりも速くなるなら、PCIe5.0やPCIe4.0のSSDにこだわらなくていいかなと思います。Optane SSD 905Pをシステムドライブに使い、Gen4のSSDをデータドライブとして使うのが快適かもしれません。ちょっと高いけど欲しいです。

Intel Optane SSDが買えるところ

https://amzn.to/4g1cMcH

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