ASUS VivoBook Max D541N Notebook PCを分解してみた
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故障か?電源が落ちるノートパソコン
ASUS製ノートパソコン VivoBook Max「D541N-GO673TS」が起動途中で電源が落ちて困っていると友人から相談を受けました。HDDの劣化かな?と思いつつ、分解してHDDを取り出し、別のPCで診断してみたところ特に異常は見当たりませんでした。
結局、熱暴走が原因だったみたいで、涼しい部屋で起動してみたところ、スタートアップ修復が始まり、正常に起動することができました。季節が夏であることと、コップの水をこぼして濡れたらいけないということで、キーボードと吸排気口を思いっきりラップでふさがれていました。当然、熱がこもるわけです。そこにWindows Updateが行われている最中に強制終了しますから、ますます症状が悪化したというわけですね。
分解手順
せっかく分解したので、後にまた分解できなくて困ったときのために手順をまとめてみました。
裏(底板)のネジを外す
底板の赤枠の部分のネジを全部外します。ネジは短いのと長いのとで2種類あります。ちなみに、このノートPCはバッテリーが外側から外れない仕様です。
隙間に細い物を差し込んでキーボード面を浮かしていく
キーボード面と底板の間に平たい細い物を差し込んで分離させていきます。この時、ドライバーなど硬い物でグリグリすると、写真のように簡単にヘコミ傷が付いてしまうので注意してください。隙間を空けたらアイスの棒とかプラスチック製の物差しやピックなどを使ってはがしていくと安全そうです。
フィルムケーブルに注意
キーボード面の全周をパキパキと底板から離していくとき、フィルムケーブルがあるので注意してください。勢いよくパカッと外すとケーブルが抜けますが、切れると怖いので接続端子の黒い部分を90度上に上げ、ケーブルの接続を緩めてからケーブルを外してください。このケーブルは、太い方がキーボードで、細い方がタッチパッドのケーブルです。
キーボード面を外す
この2本のケーブル外せば、キーボード面は完全に分離できます。電源入れてF2を押し、UEFI(BIOS)画面を出したまま外してまいました...。
ちなみに、キーボードの裏側はこんな感じです。
基板部分はこんな感じで、バッテリーパックやハードディスクが取り外せる状態です。
ハードディスクを交換したいとき
ハードディスクを外すには、赤丸部分のネジを外し、ディスクを右にスライドすれば外せます。
外したハードディスク
バッテリーを交換したいとき
交換したいと言ってもパーツが買えればの話で、交換用バッテリーが売っているかはわかりません。ただ、バッテリー無しでACアダプタ接続でPCを起動できるか確認するために外してみました。赤丸の部分のネジを外し、マイナスドライバーなどで両面テープで固定されているバッテリーをてこの原理で本体から剥がしていきます。
バッテリーを取り外したところ
ひっくり返すとNCR18650Bと書いてありました。汎用的はリチウムイオン電池を連結してあるみたいです。ちなみに、バッテリー無しのACアダプタのみの起動はできました。
以上で、分解は終わりです。パーツを交換したら逆の手順で組み立てればOKです。フィルムケーブルに慣れていない方はケーブルの接続がうまくいかないかもしれません。
最終的に直りました
後から分かったことですが、2019年3月にASUSがPCのBIOS・UEFI・ソフトウェアの更新に用いている公式ソフトウェア「ASUS Live Update Utility」にバックドアが設けられ、マルウェアが配布されるという攻撃が行われていたことがネットのニュースに取り上げられていたのを思い出しました。ひょっとしたらこれが原因でPC起動途中でなんらかのSTOPコードが実行されて起動不能になっていたのかもしれません。また、「OneSafe PC Cleaner」という怪しいソフトも入っていたので、これも悪さをしていたかもしれません。
何度かに一度起動できたときに、「OneSafe PC Cleaner」を削除しました。「ASUS Live Update Utility」はいつの間にか脆弱性対応の修正がされた3.6.8に更新されていました。そこで、余ったHDDでクローンを作成してHDDを交換したら、起動途中やPC使用中に電源が落ちることもなくなりました。しかも以前より動作が軽くなりました。直ってよかったです。