【レビュー】WD_BLACK AN1500 1TBを買ってOSブートドライブとして使ってみた
目次
古いPCでも爆速にできる最強のストレージ?!
PCIe Express 3.0世代のPCでも、PCIe Gen3 x8で接続できるスロットに挿すだけで、秒速6500MB/s (連続読込)、4100MB/s(連続書込)というPCIe 4.0世代並みのスピードを手に入れることができるストレージカード『WD_BLACK AN1500 NVMe SSD Add-in-Card(2020年10月発売)』を遂に手に入れました。発売されたのを知ってから、ずっと欲しかったんです。
1TB/2TB/4TBがラインアップとしてあるのですが、今回は1TBを購入しました。
M.2/NVMe SSDは単体でも速いのですが、PCIe Gen3 x4(転送速度 約4GB/s)の規格のSSDでは秒速3000MB/s~3500MB/s(連続読込)も出ればいい方ですが、なぜ秒速6500MB/s(連続読込)も出るかと言うと、PCIe Gen3 x8(転送速度 約8GB/s)で接続するということと、このカードの中にM.2/NVMe SSDが2枚入っていて、内部でRAID0(ストライピング)で動いているからで、これによってPCIe Gen4 x4(転送速度 約8GB/s)並みのスピードが出ています。
通常、RAID0を使おうと思ったらRAIDの設定が必要ですが、このカードに関しては設定が不要で、挿すだけで単体のドライブとして認識してくれます。
電源を入れるとこのようにLEDが光ります。
専用ソフト『Western Digital ダッシュボード』を使用して消灯したり、光るパターンを変更できます。ちなみに、今回使用しているPCの仕様は以下の通りです。かれこれ6~7年前から使用している古いPCです。
使用しているPC環境
- Intel Core i5-4460(第4世代)
- ASRock Z97 Extreme6(Intel Z97チップセット)
- DDR3-1333 / PC3-10600 32GB(8GB×4枚)
- NVIDIA GeForce GTX 1050 Ti (GDDR5 4GB)
- Microsoft Windows 10 Professional (x64) Build 19042.985
単体のドライブとして認識
PCIe 3.0 スロットに挿し、ディスクの管理を起動してみたら、ちゃんと単体のドライブとして認識されていました。通常のRAIDカードと違って、何の設定もなくすんなり1TBのドライブとして認識しました。
BIOS/UEFIの起動ドライブの優先順位を設定する画面に表示されていたので、ブートディスク(起動ドライブ)として使えそうです。
起動後にデバイスマネージャーで認識されている様子↓
スクリーンショットを取り忘れましたが、『ディスクの管理』では1TBのハードディスクとして表示されていました。
OSを引っ越し
システムドライブとして使えそうなのが分かったので、今までのシステムドライブの内容をWD_BKACK AN1500にクローンコピーします。ツールはAcronis True Imageを使用しました。
ちなみにシステムドライブとして使用していたのは『Samsung SM961 NVMe SSD 256GB』で、そっくりそのままの内容をWD_BLACK AN1500 1TBにクローンコピーしました。時間は覚えていませんが、30分くらいでコピーが終わった気がします。
BIOS/UEFIでWD_BLACK AN1500の優先順位を変更
クローンコピーが終わったところで、旧OSドライブを取り外し、UEFIのブートオプションの設定をWD_BLACK AN1500に変更して再起動したらあっさりWindows10が起動しました。
なぜかPCIe Gen3 x4で駆動
専用ツール『Western Digital ダッシュボード』をダウンロード&インストールして実行してみると、x8で動いているだろうと思っていいたら、x4での認識になっていました。
原因はZ97チップセットの仕様
Intel Z97チップセットでは、
- PCI Express 3.0 を 1スロット使用 → x16
- PCI Express 3.0 を 2スロット使用 → 各スロット x8
- PCI Express 3.0 を 3スロット使用 → 1スロット x8 + 2スロット x4
となるみたいで、全部でx16しかレーン数がないので、それを挿した分で分かち合うみたいです。そして、私の使用しているマザーボードはでは、PCI Express 3.0で接続できるスロットは、PCI Slot 2、Slot 4とUltra M.2となっていて、それぞれに以下のパーツを挿していました。
- PCI Express 3.0 Slot 2 → x8 グラフィックカード(NVIDIA GeForce GTX 1050 Ti)
- PCI Express 3.0 Slot 4 → x4 WD_BLACK AN1500 1TB
- Ultra M.2 Slot → x4 NVMe SSD(データ用SSD)
x8になった!
そこで、仕方なくUltra M.2 SlotのSSDを別のPCI Express 2.0で接続するスロットに移してみました。すると無事、x8になりました!
AN1500がPCIe Gen3 x8接続になったのは嬉しいのですが、Ultra M.2に挿していたPCIe Gen3仕様のSSDをあえてPCIe Gen2 x4で遅く使うことになるのは、ちょっと寂しい感じです。古いチップセットの仕様なので仕方ありませんが...。
ベンチマーク(スピードテスト)してみた
入れ替えたシステムドライブの新旧でスピードを比較してみました。ベンチマークにはCrystalDiskMarkを使用しました。
旧システムドライブ(Samsung SM961 NVMe SSD 256GB)
PCIe Gen3 x4接続のSSD。
新システムドライブ(WD_BLACK AN1500 1TB)
公称値の『6500MB/s (連続読込)/4100MB/s(連続書込)』には届きませんでしたが、十分速いです。データ用ではなく、システムドライブとしてOSが起動している状態で使用しているからなのかもしれませんが、シーケンシャルリードが約1GB/sも遅いのは気になります。書込みはほぼ公称値どおりなので満足です。
体感速度については、Windows10やアプリケーションの起動は『少し早くなったかな?』と言った程度でしたが、Adobe Premier Proの書き出しについては『段違いに速い!』と感じました。他にも気づいていない恩恵があるかもしれません。
このストレージカードのおかげで、この古いPCは、まだまだ現役で使えそうです。
CPU接続のスロットに差し替えて再ベンチマーク
(2021/09/16追記)読込速度が公称値の6500MB/sに到達しないのは、ひょっとして『PCIeスロット3がチップセット接続だから?』と思い、CPU接続のPCIeスロット1と入れ替えてみました。
ベンチマーク結果
予想は当たっていました。読込速度が公称値の6500MB/s近くまで出ました。PCIeスロットの仕様をよくわかっていませんでした。PCIe4.0世代のSSD並みのスピードが出て満足です。
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