Chromium版の新EdgeでInternet Explorerモード(IEモード)を有効にする方法とレジストリ

目次

デフォルトでは無効になっているInternet Explorerモード(IEモード)

最近の新しいWEBサイトやWEBシステムはGoogle Chromeなど、非IEのブラウザを基準に作らてきていますが、まだ企業で使っている業務用のサイトやイントラネット、Active Xを使ったWEBシステムなど、古いシステムの中にはInternet Explorer(IE)を前提に作られている物が多く、脱IEに向けて刷新が進まなかったりして、なかなかIEを捨てることができない現状が見受けられます。

そこへ、Edgeのタブ内でIEレンダリング表示できる『IEモード』を搭載したChromium(クロミウム)ベースの新しいMicrosoft EdgeのStable(安定版)が2020/01/15に公開され、いよいよ脱IEできそうな雰囲気になってきました。

ChromiumベースとなったことでレンダリングエンジンがGoogle Chromeと同じBlinkになり、Chrome並み、いやそれ以上かもしれない表示レスポンスが体感でき、Internet Explorerモード(IEモード)を使えばIEのレンダリングエンジン「EdgeHTML」でIE表示ができるとなれば、一つのブラウザでChromeとIEが同時に使えているようなもので、Internet Explorer 11(IE11)が要らなくなるどころか、Google Chromeも要らなくなってしまいます。ちなみに、以下のページを見ると現時点ではChromeより速いらしいです。

じゃぁ、新しいChromium版Edgeに乗り換えよう!と思ってもただインストールしただけではInternet Explorerモード(IEモード)は無効になっているので、有効にしなければなりません。

今回、Windows 10 v1909 64bitの環境にMicrosoft Edge for business(Enterprise)Stable版 Version 79.0.309.71 64bitをインストールしてInternet Explorerモード(IEモード)を試してみました。

GUIでInternet Explorerモード(IEモード)を有効にする方法

Edgeのメニューの中の「設定」など、目に見えるメニューの中には Internet Explorerモード(IEモード)を有効にする項目は存在していいません。では、どうやって設定するの?ということで、Edgeを起動してアドレスバーにedge://flags/またはedge://flags/#edge-internet-explorer-integrationと入力し、Enter押すと、以下のような設定画面が表示されます。ここにある「Enable IE Integration」の部分の「Default」となっているところを「IE Mode」に変更すると Internet Explorerモード(IEモード)が有効になります。

ちなみに、アドレスバーにedge://policyと入力すれば、有効にしたポリシー設定が表示できるので、ちゃんと設定できているか確認できます。

あとはEdgeを再起動すれば[・・・]-[その他ツール]のメニューに「このページを Internet Explorer で表示する」が表示されているはずです。

IE表示したいページで「このページを Internet Explorer で表示する」をクリックすると、Blinkで表示していたページをEdgeHTMLでレンダリングしたIE表示に変わります。 試しにYAHOO!JAPANをIEモードで表示してみました。

IEのマークをクリックすると、IE11の互換モードで表示されていることがわかります。

レジストリでInternet Explorerモード(IEモード)を有効にする方法

GUIで設定してダメな場合、レジストリの追加でInternet Explorerモード(IEモード)を有効にすることができます。

キー HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge
値の名前 InternetExplorerIntegrationLevel
タイプ REG_DWORD
値のデータ 1

値のデータの参考

  • 0:なし
  • 1:Internet Explorer モード
  • 2:Internet Explorer 11

レジストリを追加するコマンド

以下のコマンドを管理者として起動したコマンドプロンプトに貼り付けて実行すればレジストリの追加が簡単にできます。

reg add HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge /v InternetExplorerIntegrationLevel /t reg_dword /d 1 /f

グループポリシーでIEモードを有効にするときの例

参考にですが、このレジストリはグループポリシーで Internet Explorerモード(IEモード)を有効にする際、ポリシーエディタの項目「Internet Explorer との統合を構成する」を有効にしたときに登録されるレジストリと同じです。(この項目はポリシーファイルを別途、適用しないとポリシーエディタに表示されない項目です。)

有効にしても「このページを Internet Explorer で表示する」が現れないとき

GUIメニューの「Enable IE Integration」とレジストリでIEモードを有効に設定したのに、メニューに「このページを Internet Explorer で表示する」が表示されないときは以下のコマンドでEdgeを起動してみてください。

"C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge\Application\msedge.exe" --ie-mode-test

このコードでショートカットを作成するか、コマンドプロンプトまたは検索窓に貼り付けて実行することができます。 次回のEdge起動でメニューから「このページを Internet Explorer で表示する」が消えていたら、デスクトップやスタートメニューにあるEdgeのショートカットのパスに--ie-mode-test を追記しておいたほうがいいです。っていうか、いちいち有効にしたり、メニューを開いてIEに切り替えるのは面倒なので、簡単にIEモードにできるIE切替ボタンとか作って欲しいですね。

でも、とりあえずこれでGoogle ChromeとInternet Explorer 11が合体したハイブリッドなブラウザになったのでメインブラウザはGoogle ChromeからMicrosoft Edgeに乗り換えようと思います。

Chromeの拡張機能で「IE Tab」というのもある

参考にですが、Google Chromeの拡張機能でIEモードと同じようなことができる「IE Tab」というのがあります。これもIEで表示したいChromeのタブで「IE Tab」のボタンを押すとIE表示してくれるのもです。Active Xにも対応しています。とりあえず、Chromeに入れてみてEdgeのIEモードと両刀使いして比較してみるといいかもいしれませんね。

ちなみにEdgeにもこの拡張機能を追加することができます。「なら、設定に手間のかかるIEモードなんて無くてもよくね?」と思うかもしれませんが、やはりMicrosoft純正の方が見た目もスッキリしていて安定してそうなので、「IE Tab」のような純正の拡張機能やボタンが追加されて欲しいですね。以下はEdgeに「IE Tab」を追加してYAHOO!JAPANを「IE Tab」で開いた画面、右クリックメニューがIEになっています。

こうなると、使い慣れたChromeのままでもいいような気もしてきます...。

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