【EarStudio ES100】Bluetoothワイヤレス接続でiPhoneのハイレゾロスレスを再生してみた
目次
Apple Musicでロスレス配信開始
2021年6月のiOSアップデートからアップルがストリーミングオーディオサービス「Apple Music」でロスレスオーディオの提供が日本でも開始されました。コーデックAACではなく、『ALAC(Apple Lossless Audio Codec)』。
Bluetoothでもハイレゾが聴けるかも?
できればBluetoothを使って『ワイヤレスでハイレゾやロスレスが聴けたらいいな』と思ったのですが、以下のアップルのページに、
- AirPods、AirPods Pro、AirPods Max、Beats ワイヤレスヘッドフォンは、優れたオーディオ品質を保証するため、Apple AAC Bluetooth コーデックを使っています。ところが、Bluetooth 接続はロスレスではありません。
- Apple Music からすでにダウンロードしてある曲のロスレスバージョンを入手するには、その曲をいったん削除し、Apple Music カタログから再ダウンロードしてください。
と、なんか残念な記載がありました。
良さそうなBluetoothレシバーを見つけた
そこで、いろいろ検索して『RADSONE Earstudio ES100 MK2』というのを見つけました。有線イヤホンをワイヤレス化してくれるDACとアンプ搭載のBluetoothレシーバー。これを今回買ってみました。Earstudio ES100 MK2は低レートの音源でも44.1kHz/24bitにアップコンバートしてくれるもので、『これならBluetoothでもロスレスに対応できるんじゃね?』と思い、試すことにしました。
これは1万円前後と安く、小さくて軽いです。
外見は同じでも、ただのES100とES100 MK2と2種類あるので注意してください。ただし、ES100でもファームウェアをアップデートするとMK2と同じ性能になるという投稿を見かけました。
ハイレゾの定義とiPhoneの再生能力
一般的に音楽CDに収録されている音源は『44.1kHz/16bit』。
- ハイレゾ音源の定義は『44.1kHz/24bit~』の音源
- iPhone単体での出力は『48kHz/24bit』まで対応している
ハイレゾには他にも『96kHz/24bit』や『192kHz/24bit』などの音源があります。iPhone本体だけでは、それ以下のハイレゾ再生となります。再生能力の高い外付けのDACやアンプを併用すれば、更に高音質で聴けます。
ハイレゾについて分かりやすかった参考ページ
Lightningに直接挿せるDAC(デジタル-アナログコンバータ)内臓のヘッドホンアンプやイヤホンジャック変換ケーブル製品なども存在しているようです。
ハイレゾロスレスを試す
手持ちの機器
高音質再生を試すには古い機器しか持っていないのですが、とりあえずこれで試します。iOSは14.6からロスレスやハイレゾの再生に対応しています。
- iPhone 6s(iOS 14.6)
- BeatsX(Bluetoothワイヤレスイヤホン)
- SONY MDR-EX90SL(2006年発売の古い有線イヤホン)
- RADSONE Earstudio ES100 MK2(DAC搭載Bluetoothヘッドフォンアンプ)
iPhone側の準備
ロスレス再生に必要なもの
- iOS 14.6以上にアップデート(iPadOSも同様に14.6以上)
- 有線接続のヘッドフォン、レシーバー、または電源内蔵スピーカー
- 内蔵スピーカー
- サンプレートが 48 kHz を上回る曲を聴くには、外付けの DA (デジタル/アナログ) コンバータが必要です。
ロスレスをオンにする
iPhoneでロスレス再生するには事前にロスレスをオンにする必要があります。私のiPhoneではオフになっていたので、以下の手順でオンに設定変更しました。
1.『設定』を開く
2.『ミュージック』を開く
3.『オーディオの品質』を開く
4.『ロスレスオーディオ』をオンにする
5.『ロスレス』または『ハイレゾロスレス』を設定する
ロスレスやハイレゾロスレスの音源はデータ容量が多くなります。参考地値として、上記の画面には3分間の楽曲の場合のデータ使用量も記載されています。
- 高効率(HE-AAC)の場合は1.5MB
- 高音質(AAC 256kbps)の場合は6MB
- ロスレス(48kHz/24bit)の場合は36MB
- ハイレゾロスレス(192kHz/24bit)の場合は145MB
よって、モバイル通信のストリーミングの場合、パケット節約のため、容量の少ない『高音質』にしました。
いざ再生!
純正有線イヤホンの場合
ロスレス(24ビット/44.1kHz ALAC)と表示されました。
Beatsのワイヤレスイヤホンの場合
Beatsのワイレスイヤホンだと、同じ曲でもDolby Atmosとなりました。前段でも説明したアップルのページに記載されていた通り、BluetoothではAACしか飛ばないのでロスレス再生はできないのは本当でした。
Earstudio ES100 MK2(Bluetooth接続)の場合
「Earstudio ES100 MK2」はAACには対応しているけど、ALACには対応していないのでロスレス・ロスレスハイレゾになるはずがないのに、ロスレス/ロスレスハイレゾと表示されました。
ロスレス(24ビット/44.1kHz ALAC)
ハイレゾロスレス(24ビット/96kHz ALAC)
Earstudio ES100 MK2(USB有線接続)の場合
iPhoneとES100 MK2を接続するにはカメラアダプタが必要
iPhoneとES100 MK2を直結しようと、以下のLightning-microUSB変換ケーブルを買いましたが、iPhoneが認識してくれませんでした。
Lightningでデジカメを接続するためのLigtningをUSB-Aに変換するケーブルを経由してES100 MK2を接続したところ認識してくれました。これはUSB接続する他のDACでも同じようです。
iPhoneとUSB DACを接続するときはカメラアダプタが必須です。直接接続ではiPhoneが認識してくれません。
『EarStudio USB DAC』と表示され、出力先として選択できるようになった。
ハイレゾロスレス(24ビット/96kHz ALAC)
ロスレスやハイレゾロスレスって表示はされているけど...。
iPhoneではロスレスやハイレゾロスレス表示で再生されているけど、EarStudioのアプリではInput側は16bit/44.1kHzでの入力と表示されていました。ES100 MK2の仕様上、ALACコーデックに対応していないからか?そもそもiPhoneのBluetoothではAACしか飛ばせないからか?これが限界のようです。Output側はES100 MK2によって24bit/44.1kHzにアップコンバートして出力されていました。
Bluetooth接続時のEarStudio(iOS)の画面
USBによる有線接続時のEarStudio(iOS)の画面
こちらは音源が24bit/96kHzだったのですが、16bit/48kHzで入力されていました。iPhoneが24bit/48kHzまで出力できるとはいえ、ALACで出力できたらの話で、ES100 MK2がALACに対応していないため、AACで受信するしかないからなのかもしれません。でも、出力はES100 MK2によって24bit/48kHzにアップコンバートされていました。
なんちゃってハイレゾだけど出力できた!
EarStudioのアプリでサンプリングレートを倍増させる設定がありました。これを『4x』にしたらハイレゾ出力できるようになりました。ただし、入力は16bit/44.1kHzのままで、ES100 MK2が24bit/192kHzまたは24bit/172.4kHzにアップコンバートして出力しているので、ハイレゾと言っても一度劣化させた音源をアップコンバートしているので、なんちゃってハイレゾですね。音は聴きやすくなりましたが、メリハリが損なわれている感じがしました。
Bluetooth接続の場合
USBで直結してもハイレゾ音源再生の入力は16bit/48kHzまで落ちていますが、ES100 MK2によって24bit/192kHzまでアップコンバートされていました。
USB接続した場合
USBで直結してもハイレゾ音源再生の入力は16bit/48kHzまで落ちていますが、ES100 MK2によって24bit/192kHzまでアップコンバートされていました。
今後のファームウェアに期待
ES100に搭載されているDACはAsahi Kasei(旭化成)のAK4375aというもので、最大192kHz/32bitまで対応しているものらしいので、もしも、ALACコーデックに対応したファームウェアが出るなどして、ES100が本当のハイレゾロスレスに対応してくれたら嬉しいなと思います。
AK4377Aについての参考ページ
参考ページ
『ES100 MK2』関連ページ
商品ページ
マニュアル
『EarStudio』アプリの設定参考ページ