Chromiumベースになった新しいMicrosoft Edge
2020/01/15(米国日付)にWindows 10に搭載されているブラウザ「Microsoft Edge」がGoogle Chromeと同じChromium(クロミウム)がベースのブラウザに生まれ変わり、安定版(Stable)の提供が開始されました。Chromiumをベースにすることでレンダリングエンジンが旧EdgeのEdgeHTMLからBlinkになり、表示スピードの高速化が期待できます。これで、Google ChromeをはじめOpreraなどの有名なChromiumをベースとしたブラウザの仲間入りとなります。
そして、Chrome同様に拡張機能をMicrosoft Storeから入手して使えるようになっています。また、後述の設定をすればChromeの拡張機能をChrome Web Storeからインストールすることもできるので、Chromeでできていたことのほとんどが新しいEdgeでもできそうです。通常の安定版(Stable)とは別に企業(Enterprise)向けのEdge for businessがあります。
また、新しいMicrosfoft Edgeには完全なInternet Explorer 11(IE11)の互換性を実現する「Internet Explorerモード」が含まれていて、ページをIEとして表示できる機能で、Google ChromeとInternet Explorerのいいとこどりしたようなブラウザになっています。IEモードを使用するには事前に有効化する設定が必要です。
今度のEdgeはWindows 10専用ではなく、Windows 10/Windows 8.1/Windows 8/Windows 7/macOS/iOS/Android版があります。2020/01/14にOSのサポートが終わっているWindows7ですが、まだクローズド環境やスタンドアロンで使用しているユーザーとしてはWindows7版のEdgeがダウンロードできるのは嬉しいですね。その他、EdgeにMicrosoftアカウントでサインインすれば、タブレット・スマートフォンなどプラットフォームが異なっていてもEdge同士でお気に入りやパスワードの同期や連動ができ、その他Officeとの連携や高いセキュリティ機能などマイクロソフト製らしい便利な機能が期待できます。
ダウンロードページ
安定版(Stableチャネル)
オンライン専用のインストーラーなので、インターネットに接続された状態でないとインストールできません。オンラインの場合はダウンロードもインストールも速くて簡単です。Windows 10 64bit環境でダウンロードしましたが、インストールされたのは32bit版のEdgeでした。64bit/32bitの選択はできないようです。
Edge for business版(Enterprise)
企業向けなのでインターネットに接続されていないオフライン環境でもインストールできるオフラインインストーラーです。Windows 64bit/32bit用とmacOS 64bit用があります。
Betaチャネル版
Betaチャネル/Devチャネル/Canaryチャネル版
こちらでは、Windows/macOS以外にWindows Server用もダウンロードできます。
3つの開発チャネル「Beta」「Dev」「Canary」の特徴は以下となります。
- Canary:毎日ビルドされ、新しい機能が積極的に導入されるが、重大な不具合が含まれている場合もある。
- Dev:毎週ビルドされ、「Canary」より安定している。
- Beta:仕様がある程度固まり、細かい不具合の修正に注力する段階。
ダウンロードリンク(直リンク)
通常安定版(Stable)
Windows 10/ Windows 8.1/ Winodws 8/Windows 7 用
MicrosoftEdgeSetup.exe 1.75MB- https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=2108834&Channel=Stable&language=ja
- https://c2rsetup.officeapps.live.com/c2r/downloadEdge.aspx?ProductreleaseID=Edge&platform=Default&version=Edge&source=EdgeStablePage&Channel=Stable&language=ja
macOS用
MicrosoftEdge-79.0.309.68.pkg 133MB
- https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=2069148&platform=Mac&Consent=0&channel=Stable
- https://officecdn-microsoft-com.akamaized.net/pr/C1297A47-86C4-4C1F-97FA-950631F94777/MacAutoupdate/MicrosoftEdge-79.0.309.68.pkg?platform=Mac&Consent=0&channel=Stable
Edge for business(Stable 79.0.309.68)
Windows 64bit
MicrosoftEdgeEnterpriseX64.msi(71.1MB)
Windows 32bit
MicrosoftEdgeEnterpriseX86.msi(68.7MB)
macOS 64bit
MicrosoftEdge-79.0.309.68.pkg(133MB)
Edge for business(Beta 80.0.361.33)
Windows 64bit
MicrosoftEdgeBetaEnterpriseX64.msi(73.7MB)
Windows 32bit
MicrosoftEdgeBetaEnterpriseX86.msi(71.4MB)
macOS 64bit
MicrosoftEdgeBeta-80.0.361.33.pkg(140MB)
Edge for business(Dev 80.0.361.33)
Windows 64bit
MicrosoftEdgeDevEnterpriseX64.msi(80.7MB)
Windows 32bit
MicrosoftEdgeDevEnterpriseX86.msi(74.5MB)
Chromeと同じ拡張機能を使う方法
Google Chromeで使用中の拡張機能が引き継げれば簡単なのですが、拡張機能を引き継ぐ方法は今のところ見当たりませんので、欲しい拡張機能は改めて登録する必要があります。
Chromium版Edgeのメニュー『拡張機能』またはアドレスバーからedge://extensions/
にアクセスした画面で「他のストアからの拡張機能を許可します」をオンにすれば Chrome Web Store からも拡張機能をインストールできるようになります。そして、Chromium版Edgeで Chrome ウェブストア の拡張機能ページを開き、[Chrome に追加する]ボタンを押せば、Google Chromeと同じ感覚で拡張機能を導入できます。
↓
以下のページにもう少し詳しく説明を書いています。
Flashは既定で無効化されている
AdobeがFlashのサポートを2020年の終了することを発表しており、それに伴って2020年が終わるまでにWindows及びメジャーなブラウザから削除または無効化されるそうです。
個人的にはFlashの必要性を感じないので無効化のままでいいのですが、法人向けのWEBミーティングサービスなどでFlashを必要とするサイトを見かけるので、企業ではまだ必要とするケースがあるかもしれません。Chromium版EdgeはFlashは既定で無効になっていますが、『設定』-『サイトのアクセス許可』-『Adobe Flash』または新しいEdgeのアドレスバーからedge://settings/content
にアクセスした画面から許可すれば、現時点ではまだAdobe Flashコンテンツを表示できます。
Internet Explorerモード(IEモード)が使える
Internet Explorerを前提としたシステムや特定の業務用サイトや社内のイントラネット、またはActive Xを使用したWEBシステムなどにInternet Explorerでアクセスしたい場合、Internet Explorerモード(IEモード)を使用すれば、EdgeからIEのレンダリングエンジンを使ってサイトにアクセスできるできるようになります。Chromeの拡張機能にある『IE Tab』の純正版みたいなやつですね。
予め設定を有効にしなければならない
Internet Explorerモード(IEモード)を使用するには、Edge側かグループポリシーのどちらかで有効化しなければ使えません。Edge側で有効化する方法や、レジストリで有効化する方法は以下のページが参考になります。
Active Directoryなどドメイン環境でグループポリシーを使ってInternet Explorerモード(IEモード)を有効にするには、グループポリシーで「Internet Explorer との統合を構成する」を有効にする必要がありますが、この項目はポリシーファイルを適用していないと表示されない項目なので、ひと手間必要になります。また、ツールを使って特定サイトのURLを登録しておけば、指定のサイトにアクセスの際、自動的にInternet Explorerモード(IEモード)となり、IEとしてページを表示します。グループポリシーでURLを指定しなくても手動でIEモード表示することもできます。Chromium版のEdgeさえあればGoogle ChromeもInternet Explorerも要らなくなる恐ろしい機能です。この使い方については以下のサイトが参考になります。
Bing(既定)の検索エンジンを変更する方法
デフォルトの検索エンジンは当然Bingになっているわけですが、これをGoogleやYahoo!JAPANに変更したときは以下のページに手順を記載していますので、参考にしてください。