Acronis Backup 12.5 のエージェントをインストールできない!何度も失敗するときの解決策

目次

結論から言うと解決できました。 今回、クローズド環境のWindows7で行いました。Windows10でも同様だと思います。

Acronis Backup 12.5 バックアップエージェントのインストール画面

何度やってもエージェントのインストールができない!

Acronis Backupを使用して定期的にクライアントPCのバックアップイメージを取っておこうと、管理サーバーのWEBインターフェイス(http://管理サーバーIP:9877)からデバイスの追加をしようとしたのですが、エラーで追加できませんでした。

Acronis Backup 12.5 バックアップ 管理サーバーのWEBインターフェース画面

そこで、『サーバー側でダメならクライン側からエージェントを入れてみよう』と思いました。

ところが、クライアントPCにエージェントをローカルインストールしようと何度もトライしても失敗しました。何度やってもインストールの進捗状況が28%のところで必ず以下のエラー画面が出ました。

Acronis Backup 12.5 バックアップエージェントのインストール エラーが発生しました 重複したi/O処理を実行しています。

エラーが発生しました
重複したI/O処理が発生しています。

解決した方法

必要な環境を整える

まず、バックアップ対象がWindowsのクライアントPCだった場合、そのクライントPCで以下の環境を整えます。こんな条件が必要だなんて調べまくるまでわかりませんでした。なんか警告や注意書きが目につくところにあればいいのですが、インターネットに接続できない環境のPCで作業していたせいか、情報に辿り着くまでが大変でした。

  1. Windowsファイアウォールで『ファイルとプリンタの共有』を許可する
  2. Microsoft Visual C++ 再頒布可能パッケージのインストール
  3. UACを無効にして再起動

1. Windowsファイアウォールで『ファイルとプリンタの共有』を許可する

[コントロールパネル]-[Windowsファイアウォール]-[Windowsファイアウォールを介したアプリまたは機能を許可]を開きます。(※画面はWindows10のスクリーショットです。)

Windowsファイアウォール

『ファイルとプリンタの共有』にチェックを入れます。状況に応じて『プライベート』や『パブリック』にチェックを入れます。(※画面はWindows10のスクリーショットです。)

Windowsファイアウォール ファイルとプリンターの共有

参考ページ

2. Microsoft Visual C++ 再頒布可能パッケージのインストール

ダウンロードページ

このページにある『vc_redist.x86.exe』または『vc_redist.x64.exe』をダウンロードしてインストールしました。

参考ページ

3. UACを無効にして再起動

[コントロールパネル]-[ユーザーアカウント]-[ユーザーアカウント制御の変更]を開き、『通知しない』に変更しました。変更後は再起動が必要です。また、インストール環境後は元に戻すこともお忘れなく。

UAC ユーザーアカウント制御の設定 通知しない

参考ページ

 

環境の準備は以上。

ここまでの作業でAcronis BackupのWEBインターフェース(http://管理サーバーIP:9877)からデバイスの追加も進むようになりましたが、最後には失敗。これだけではダメで、以下の作業が追加で必要です。

Microsoft\Crypto\RSA フォルダの名前を変更する

ここが今回の解決策の肝です。これで28%で停まってしまうエージェントインストールが100%完了しました。

C:\ProgramData\Microsoft\Crypto\RSA\S-1-5-18

↓ これを次のようにリネーム

C:\ProgramData\Microsoft\Crypto\RSA\S-1-5-18_BAK

C:\ProgramData\Microsoft\Crypto\RSA\S-1-5-18

これだけでOK。_BAKでなくても名前が変更されれば何でもいいです。後に、新しい『S-1-5-18』フォルダが自動的に作成されます。

これに気づいた理由

これに辿り着けたのは以下のログからで、これはエージェントインストール時、C:\Program Data\Acronisへ吐き出されたログの一部ですが、『エラー 997』for computing its hash. Error: 997という部分をヒントにネットを検索しました。

MSI (s) (B4:6C) [16:13:43:036]: SECREPAIR: New Hash Database creation complete.
MSI (s) (B4:6C) [16:13:43:036]: SECREPAIR: Crypt Provider not initialized. Error:0
MSI (s) (B4:6C) [16:13:43:052]: SECREPAIR: Crypt Provider not initialized. Error:0
MSI (s) (B4:6C) [16:13:43:052]: SECREPAIR: Crypt Provider not initialized. Error:0
MSI (s) (B4:6C) [16:13:43:052]: SECREPAIR: Crypt Provider not initialized. Error:0
MSI (s) (B4:6C) [16:13:43:052]: SECREPAIR: Crypt Provider not initialized. Error:0
MSI (s) (B4:6C) [16:13:43:052]: SECREPAIR: Crypt Provider not initialized. Error:997
MSI (s) (B4:6C) [16:13:43:052]: SECUREREPAIR: Failed to CreateContentHash of the file: ab6.cab: for computing its hash. Error: 997
MSI (s) (B4:6C) [16:13:43:052]: SECREPAIR: Failed to create hash for the install source files
MSI (s) (B4:6C) [16:13:43:052]: SECUREREPAIR: SecureRepair Failed. Error code: 3e5712A8008
操作開始 16:13:42: RemoveCACacheOnRollback。
MSI (s) (B4:6C) [16:13:49:174]: Note: 1: 2262 2: Error 3: -2147287038 
MSI (s) (B4:6C) [16:13:49:174]: 
エラー 997。  重複した I/O 処理を実行しています。

すると、なぜかAcronisとは関係がない以下のCADで有名なAutoDeskのページがヒットしました。

ここに全く同じようなエラーログと今回の解決策が書かれていました。

ログにもCryptとかhashとの文字があるので、どうやらインストール時に展開されるファイルのハッシュ値とか暗号化キーや証明書関連が、不一致または照合できない不具合でエラーが起こっていた模様。それでRSA関連のフォルダをリネームすることでリセットできる?って感じのようです。(正直理解できていません。)

解決策の対応は以上。

無事インストールできました!

改めてエージェントのインストールにチャレンジしたところ、すんなりインストールできました。

28%を越えてもエラーなく進み、

Acronis Backup 12.5 バックアップエージェントのインストール画面 インストールしています

インストールに成功しました。

Acronis Backup 12.5 バックアップエージェントのインストール画面 インストールに成功しました。

やってみてダメだった内容

ここからは、解決先に辿り着くまでに行った内容で、やってみて効果が無かったものです。

アンインストールしてから再度インストール

インストールが28%まで進んでエラーが出たため、当初は中途半端にインストールされてるのが、再インストールできなくなった理由ではないかと思いアンインストールしてみようとしたのですが、ダメでした。そもそもエラーで微々たるものもインストールされていなかったためと思われます。

『プログラムと機能』からアンインストール

そもそも『プログラムと機能』に表示がなかった為、アンインストールできず。

参考にしたページ

レジストリの残骸を削除

そもそもレジストリが存在していなかった。

参考にしたページ

Acronisのクリーンアップツールでお掃除

見えないゴミが残っているために再インストールができないのでは?と思ったため、Acronis Backup関連の情報を片っ端から削除してくれる公式ツールを使用してみましたがダメでした。

クリーンアップツールのダウンロードと使い方は以下のページに記載があります。

Acronis Backupの場合
Acronis TrueImageの場合

ログ情報から調べてみる

コード1603関連でいろいろ調べた

エージェントインストール時にC:\Program Data\Acronisへ吐き出されたログの一部にインストールの成功またはエラーの状態: 1603とかMainEngineThread is returning 16031603というコードが目についたので、調べてみましたが、有力な手掛かりはみつかりませんでした。

Property(S): SourcedirProduct = {1BFE62AC-E47D-4425-ABC6-78EF426580FC}
MSI (s) (B4:6C) [16:13:49:517]: Windows インストーラーにより製品がインストールされました。製品名: Acronis Backup、製品バージョン: 12.5.7970、製品の言語: 0、製造元: Acronis、インストールの成功またはエラーの状態: 1603
MSI (s) (B4:6C) [16:13:49:548]: Deferring clean up of packages/files, if any exist
MSI (s) (B4:6C) [16:13:49:548]: MainEngineThread is returning 1603
MSI (s) (B4:08) [16:13:49:548]: No System Restore sequence number for this installation.
=== ログ終了: 2021/02/09  16:13:49 ===
MSI (s) (B4:08) [16:13:49:563]: User policy value 'DisableRollback' is 0
MSI (s) (B4:08) [16:13:49:563]: Machine policy value 'DisableRollback' is 0
MSI (s) (B4:08) [16:13:49:563]: Incrementing counter to disable shutdown. Counter after increment: 0
MSI (s) (B4:08) [16:13:49:563]: Note: 1: 1402 2: HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Installer\Rollback\Scripts 3: 2 
MSI (s) (B4:08) [16:13:49:563]: Note: 1: 1402 2: HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Installer\Rollback\Scripts 3: 2 
MSI (s) (B4:08) [16:13:49:563]: Decrementing counter to disable shutdown. If counter >= 0, shutdown will be denied.  Counter after decrement: -1
MSI (s) (B4:08) [16:13:49:563]: Restoring environment variables
MSI (s) (B4:08) [16:13:49:563]: Destroying RemoteAPI object.
MSI (s) (B4:48) [16:13:49:563]: Custom Action Manager thread ending.
MSI (c) (BC:08) [16:13:49:579]: Decrementing counter to disable shutdown. If counter >= 0, shutdown will be denied.  Counter after decrement: -1
MSI (c) (BC:08) [16:13:49:579]: MainEngineThread is returning 1603
=== Verbose logging stopped: 2021/02/09  16:13:49 ===
参考にしたページ

以上。無事インストールできて良かったです。

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