結論から言うと解決できました。 今回、クローズド環境のWindows7で行いました。Windows10でも同様だと思います。
何度やってもエージェントのインストールができない!
Acronis Backupを使用して定期的にクライアントPCのバックアップイメージを取っておこうと、管理サーバーのWEBインターフェイス(http://管理サーバーIP:9877)からデバイスの追加をしようとしたのですが、エラーで追加できませんでした。
そこで、『サーバー側でダメならクライン側からエージェントを入れてみよう』と思いました。
ところが、クライアントPCにエージェントをローカルインストールしようと何度もトライしても失敗しました。何度やってもインストールの進捗状況が28%のところで必ず以下のエラー画面が出ました。
エラーが発生しました
重複したI/O処理が発生しています。
解決した方法
必要な環境を整える
まず、バックアップ対象がWindowsのクライアントPCだった場合、そのクライントPCで以下の環境を整えます。こんな条件が必要だなんて調べまくるまでわかりませんでした。なんか警告や注意書きが目につくところにあればいいのですが、インターネットに接続できない環境のPCで作業していたせいか、情報に辿り着くまでが大変でした。
- Windowsファイアウォールで『ファイルとプリンタの共有』を許可する
- Microsoft Visual C++ 再頒布可能パッケージのインストール
- UACを無効にして再起動
1. Windowsファイアウォールで『ファイルとプリンタの共有』を許可する
[コントロールパネル]-[Windowsファイアウォール]-[Windowsファイアウォールを介したアプリまたは機能を許可]を開きます。(※画面はWindows10のスクリーショットです。)
『ファイルとプリンタの共有』にチェックを入れます。状況に応じて『プライベート』や『パブリック』にチェックを入れます。(※画面はWindows10のスクリーショットです。)
参考ページ
2. Microsoft Visual C++ 再頒布可能パッケージのインストール
ダウンロードページ
このページにある『vc_redist.x86.exe』または『vc_redist.x64.exe』をダウンロードしてインストールしました。
参考ページ
3. UACを無効にして再起動
[コントロールパネル]-[ユーザーアカウント]-[ユーザーアカウント制御の変更]を開き、『通知しない』に変更しました。変更後は再起動が必要です。また、インストール環境後は元に戻すこともお忘れなく。
参考ページ
環境の準備は以上。
ここまでの作業でAcronis BackupのWEBインターフェース(http://管理サーバーIP:9877)からデバイスの追加も進むようになりましたが、最後には失敗。これだけではダメで、以下の作業が追加で必要です。
Microsoft\Crypto\RSA フォルダの名前を変更する
ここが今回の解決策の肝です。これで28%で停まってしまうエージェントインストールが100%完了しました。
C:\ProgramData\Microsoft\Crypto\RSA\S-1-5-18
↓ これを次のようにリネーム
C:\ProgramData\Microsoft\Crypto\RSA\S-1-5-18_BAK
これだけでOK。_BAKでなくても名前が変更されれば何でもいいです。後に、新しい『S-1-5-18』フォルダが自動的に作成されます。
これに気づいた理由
これに辿り着けたのは以下のログからで、これはエージェントインストール時、C:\Program Data\Acronis
へ吐き出されたログの一部ですが、『エラー 997』と『for computing its hash. Error: 997』という部分をヒントにネットを検索しました。
MSI (s) (B4:6C) [16:13:43:036]: SECREPAIR: New Hash Database creation complete. MSI (s) (B4:6C) [16:13:43:036]: SECREPAIR: Crypt Provider not initialized. Error:0 MSI (s) (B4:6C) [16:13:43:052]: SECREPAIR: Crypt Provider not initialized. Error:0 MSI (s) (B4:6C) [16:13:43:052]: SECREPAIR: Crypt Provider not initialized. Error:0 MSI (s) (B4:6C) [16:13:43:052]: SECREPAIR: Crypt Provider not initialized. Error:0 MSI (s) (B4:6C) [16:13:43:052]: SECREPAIR: Crypt Provider not initialized. Error:0 MSI (s) (B4:6C) [16:13:43:052]: SECREPAIR: Crypt Provider not initialized. Error:997 MSI (s) (B4:6C) [16:13:43:052]: SECUREREPAIR: Failed to CreateContentHash of the file: ab6.cab: for computing its hash. Error: 997 MSI (s) (B4:6C) [16:13:43:052]: SECREPAIR: Failed to create hash for the install source files MSI (s) (B4:6C) [16:13:43:052]: SECUREREPAIR: SecureRepair Failed. Error code: 3e5712A8008 操作開始 16:13:42: RemoveCACacheOnRollback。 MSI (s) (B4:6C) [16:13:49:174]: Note: 1: 2262 2: Error 3: -2147287038 MSI (s) (B4:6C) [16:13:49:174]: エラー 997。 重複した I/O 処理を実行しています。
すると、なぜかAcronisとは関係がない以下のCADで有名なAutoDeskのページがヒットしました。
ここに全く同じようなエラーログと今回の解決策が書かれていました。
ログにもCrypt
とかhash
との文字があるので、どうやらインストール時に展開されるファイルのハッシュ値とか暗号化キーや証明書関連が、不一致または照合できない不具合でエラーが起こっていた模様。それでRSA関連のフォルダをリネームすることでリセットできる?って感じのようです。(正直理解できていません。)
解決策の対応は以上。
無事インストールできました!
改めてエージェントのインストールにチャレンジしたところ、すんなりインストールできました。
28%を越えてもエラーなく進み、
インストールに成功しました。
やってみてダメだった内容
ここからは、解決先に辿り着くまでに行った内容で、やってみて効果が無かったものです。
アンインストールしてから再度インストール
インストールが28%まで進んでエラーが出たため、当初は中途半端にインストールされてるのが、再インストールできなくなった理由ではないかと思いアンインストールしてみようとしたのですが、ダメでした。そもそもエラーで微々たるものもインストールされていなかったためと思われます。
『プログラムと機能』からアンインストール
そもそも『プログラムと機能』に表示がなかった為、アンインストールできず。
参考にしたページ
レジストリの残骸を削除
そもそもレジストリが存在していなかった。
参考にしたページ
Acronisのクリーンアップツールでお掃除
見えないゴミが残っているために再インストールができないのでは?と思ったため、Acronis Backup関連の情報を片っ端から削除してくれる公式ツールを使用してみましたがダメでした。
クリーンアップツールのダウンロードと使い方は以下のページに記載があります。
Acronis Backupの場合
Acronis TrueImageの場合
ログ情報から調べてみる
コード1603関連でいろいろ調べた
エージェントインストール時にC:\Program Data\Acronis
へ吐き出されたログの一部に『インストールの成功またはエラーの状態: 1603』とか『MainEngineThread is returning 1603』と1603
というコードが目についたので、調べてみましたが、有力な手掛かりはみつかりませんでした。
Property(S): SourcedirProduct = {1BFE62AC-E47D-4425-ABC6-78EF426580FC} MSI (s) (B4:6C) [16:13:49:517]: Windows インストーラーにより製品がインストールされました。製品名: Acronis Backup、製品バージョン: 12.5.7970、製品の言語: 0、製造元: Acronis、インストールの成功またはエラーの状態: 1603 MSI (s) (B4:6C) [16:13:49:548]: Deferring clean up of packages/files, if any exist MSI (s) (B4:6C) [16:13:49:548]: MainEngineThread is returning 1603 MSI (s) (B4:08) [16:13:49:548]: No System Restore sequence number for this installation. === ログ終了: 2021/02/09 16:13:49 === MSI (s) (B4:08) [16:13:49:563]: User policy value 'DisableRollback' is 0 MSI (s) (B4:08) [16:13:49:563]: Machine policy value 'DisableRollback' is 0 MSI (s) (B4:08) [16:13:49:563]: Incrementing counter to disable shutdown. Counter after increment: 0 MSI (s) (B4:08) [16:13:49:563]: Note: 1: 1402 2: HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Installer\Rollback\Scripts 3: 2 MSI (s) (B4:08) [16:13:49:563]: Note: 1: 1402 2: HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Installer\Rollback\Scripts 3: 2 MSI (s) (B4:08) [16:13:49:563]: Decrementing counter to disable shutdown. If counter >= 0, shutdown will be denied. Counter after decrement: -1 MSI (s) (B4:08) [16:13:49:563]: Restoring environment variables MSI (s) (B4:08) [16:13:49:563]: Destroying RemoteAPI object. MSI (s) (B4:48) [16:13:49:563]: Custom Action Manager thread ending. MSI (c) (BC:08) [16:13:49:579]: Decrementing counter to disable shutdown. If counter >= 0, shutdown will be denied. Counter after decrement: -1 MSI (c) (BC:08) [16:13:49:579]: MainEngineThread is returning 1603 === Verbose logging stopped: 2021/02/09 16:13:49 ===
参考にしたページ
以上。無事インストールできて良かったです。